東京発表会
神戸市が主催するプロジェクトエングローブにて東京発表が行われました。
(河野由季)
アパレルの会社がなぜ医療なの?
いつも聞かれます。
その答えは、2年前のある出来事がきっかけでした。
妹に「姉は誰のためにビジネスをしてるん?」
私は答える事ができませんでした。商売がとにかく大好きで、ガムシャラに走ってきた10年。
忙しい日々の中で、見てみぬふりをしてきた問題に実は気づいていました。
変わらないアパレルの生産体制、大量生産と廃棄の現実、価格競争、
「私は誰の幸せのために、このビジネスをしているんだろう?」
「10年後、このビジネスがうまくいくだろうか?」
その答えはNoでした。私はもう見て見ぬ振りが出来ませんでした。
じゃあ、一体私がしたい事は何だろうか?
いくら考えても答えは出ません。
そんな時私は、小さい時からの自分の夢を思い出しました。
「世界中の不自由を抱えている人の役に立ちたい」
もう一度自分の生きる原点を見つめるため、一人の医師と、ある活動を始めました。
活動を進める中で分かった事は
医師にも患者さんにも、たくさんの不便や葛藤があることでした。
患者さんには介護に携わるご家族や友人もいます
医師でも学者でもない私が何が出来るだろうか?
私は考えましたコロナ禍で思うように病院へ通えない患者さんへ向けて始めた
「無料オンライン健康相談会」
患者さんやご家族へ新しい治療法や日々の養生法をご紹介するハナサカチャンネル
今までのビジネスで培った経験を元に、無我夢中で様々な取り組みをしました。
そんな時、一人のパーキンソン病の患者さんに出会いました。
初めて会って、いただいた最初の言葉が「ありがとう」でした。
医師でもない、学者でもない私たちが、患者さんや医師の役に立つことを知りビジネス社会で生きる意味を持てなかった
私の心にはいつしか再び灯が灯りました。
弊社は1943年に愛媛県新居浜市で創業し、今年で80年目を迎えます。
時代が変わる中で、ビジネス形態も変わり続けました。
祖父は商店街でおもちゃ屋を始め、父は郊外へ出てアパレル小売りを始めました。
私の代になり、愛媛から神戸へ場所を変えました。
そして、仲間とともにアパレルから医療へ、新しい大きなチャレンジを始めます。
確かに、人は年齢を重ねると病気や障害で出来ないことが増えていきます。
けれども年をとっても、障害を持とうとも、自分の意志で自由に変えられるものがあります。それは「心、生きようと思う気持ち」
インタビュー映像にもご出演頂いた佐古田医師は
「治したいと思う心がない患者さんだけは治せない」とおっしゃいました。
またパーキンソン病歴21年のトコヤマさんはこうおっしゃいました。
「たくさんの人と話をして欲しい。新しい人との出会いが新しい希望を作るんだ。私は諦めてないと。
私達を取り巻く社会は大きく変わり、 世界は今、新しい時代に向おうとしています。
多くの企業がESGの旗印の下、地球に住む一人一人が幸せになるべく様々な取り組みをされています
「女性支援」「人種問題」「LGBTQ」
新しい未来が素晴らしいものになるのか、暗く悲しいものになるのか、それは私達次第。
年齢を重ね、出来ない事が増えていく「老いの世界」も同じではないでしょうか?
病気、不自由、精神や身体の障害、老いとともに生じる病や介護は暗く悲しいもの。
そう思うのであれば、受け入れられないのは当然です。
そして、その哀しみは家族や友人、サポーターにも連鎖するはずです。
けれどもどうでしょう。
もし、新しく向かう老いの世界には希望や喜び、新しい仲間が待ってくれていると分かっていたら?
その世界には、病や障害を知る自分にしか出来ない新しい仕事があるとしたら?
私達は幸せな老いの世界をつくるべく
患者さんやご家族が
生きる力を取り戻し、高める事の出来る
プラトーハウス&ラボの設立を目標に掲げます。
宣告の日がhappy second birthday!
待ち受ける老いの世界を幸せの光で満たすため、
プラトーハウス&ラボは社会貢献をビジネスに変え続けなければいけません
多くの人が求めている事だからこそ続けていかなければ行けません
そしてどの国でも高齢化は進みます
必要なのは日本だけではありません
そこで私達は事業の柱にアートを位置づけました。
(河野亜季)
なぜアートなのか?
たしかに、アートは薬のように絶対に必要なものではありません。
しかし私(河野亜季)にとっては、生きる力を高めてくれるものです。
海外の視聴者さんからいただいた言葉が今でも忘れられません。
「病院の待合室でたまたま見つけた作品でした。心の温かさに触れたようで、涙が止まらなくなりました」
私が作ったアート作品が、国境超え誰かの生きる力になった瞬間でした。
プラトーハウスで取り上げるアートは
「ソーシャリーエンゲージドアート」
アート作品の多くは生産者、消費者とも個人的欲求という閉じた目的を満たす側面があります。
一方、プラトーハウスの作品は他者の救済と言う開かれた目的で作るアートです。
患者さんにとって辛いリハビリが楽しいものになる。アートを通じて仲間と繋がる。
作家が患者とともに、作品を通じて、患者さんを取り巻く社会課題を解決するアート活動です。
アートの前には、障害も年齢も国籍も関係ありません。
感じる心、想像力さえあれば、どんな所へも連れて行ってくれる力を持ちます。
アートを創り続ける事は、作家にとっては生きている意味そのものでもあります。
そして、誰かの幸せのために創る事は、作家にとっても明日を生きるパワーになるのです。
宣告の日がhappy second birthday!
待ち受ける老いの世界を幸せの光で満たすため
プラトーハウス&ラボを作りたいと思っています。
病に悩む患者さんやご家族が生きる力を取り戻す「プラトーハウス」
プラトーハウスの活動を外部に発信し
患者さんやご家族が生きる力を高める「プラトーラボ」
この二つは両輪です。
社会貢献がビジネスになるためには、どちらが消えてもうまくいきません。
医師でも学者でも、患者でもない私達に一体何が出来るんだろう?
そこから始まったプロジェクトは、やっといま「幸せな老いの世界を目指す」という旗が立ち、海に漕ぎ出そうとしたところです。
この未来社会を創る第1歩として、
活動基盤となるプラトーハウスが必要です。
今日の話を聞いて頂き、プラトーハウス設立とプラトーラボの運営に
興味を持って頂けた方がいらっしゃったら、最後に一言だけ伝えさせて下さい。
新しい未来を作るのは挑戦で、これから様々な困難が起こりうるでしょう。
けれども、一方でその過程で味わう共に創る幸せは計り知れないと思っています。
ぜひ私達と一緒に、新しい未来を創る、挑戦の旅を楽しんで頂きたいと思っています。
撮影©️ nanakoono
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